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【2021年8月施行】改正医薬品医療機等法。知っておきたい「薬機法」とは

「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」「再生医療等製品」を扱うときには必ず知っておきたい「医薬品医療機等法」。

2021年8月からは「課徴金制度」が導入される動きもあり、広報担当者に関わる者やアフィリエイターは必ず知っておきたい法律です。

薬機法とは?

「薬機法」(旧・薬事法)とは、「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」「医療機器」「再生医療等製品」の品質と有効性および安全性を確保するため、製造から販売、市販後の安全対策まで一貫した規制を行い定められている法律です。

2014年11月25日に「薬事法」が改正され「薬機法」、正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機等法)」と名前が変更されました。

企業が「薬機法」に違反したときのリスク

では、企業が「薬機法」に違反した場合には、どのようなリスクが考えられるのでしょうか。主な3つのリスクについて解説します。

1.措置命令・中止命令

規定に違反した事業者や法人に対しては、厚生労働大臣または都道府県知事から、違反行為の中止や排除、再発防止策の実施を命じる「措置命令」や「中止命名」が下されます。

特に、未承認の医薬品や医療機器を販売したケースでは、刑事処罰が適用されることもあります。

2.課徴金が課せられる

2019年12月4日、厚生労働省により虚偽・誇大広告の違反を行った事業者や法人に対して課せられる「課徴金制度」が新たに設けられ、2021年8月1日より施行されることが発表されました。

課徴金額は、課徴金納付命令第七十五条の五の二において、原則として違反を行っていた期間中における対象商品の売上額 × 4.5%とされています。

参考:厚生労働省「課徴金制度の導入について」

3.社会的信用が失われる

「薬機法」に基づく行政処分が行われた場合、企業としての信用やイメージも損なわれ、商品の販売中止・回収というリスクも生じます。

消費者だけでなく、顧客や株主、メディア関係者などのステークホルダーの信頼も失われてしまうことをしっかり理解しておきましょう。

4.「薬機法」における広告の要件

広報担当者にとって、「薬機法」では何が「広告」とされるのかは気になるところでしょう。「薬機法」で「広告」として認められるには、次の3つの要件があります。

1.顧客を誘引する(顧客の購入意欲を昴進させる)意図が明確であること
2.特定医薬品等の商品名が明らかにされていること
3.一般人が認知できる状態であること

引用:薬事法における医薬品等の広告の該当性について

また、「薬機法」を実務に基づきわかりやすく記されたルールとして設けられている「医薬品等適正広告基準」によると、「薬機法」の対象となる広告媒体は、以下のように定められています。

第2(対象となる広告)
この基準は、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブサイト及びソーシャル・
ネットワーキング・サービス(SNS)等のすべての媒体における広告を対象とする。

引用 :厚生労働省「医薬品等適正広告基準の改正について」

例えば、インフルエンサーによるInstagramやFaceBookなどSNS投稿についても、「PR目的で」「商品名を提示して」「生活者が認知できる状態」である場合は、これら3つの要件を満たしているため、広告だと判断されます。

5.商材別の規制内容

5-1.化粧品

化粧品では訴求できる効能・ 効果が決まっており、事実であっても決められた効能・効果 を超えるような表現は医薬品と誤認を与えるため禁止されています。医薬品等適正広告基準によると、化粧品で認められている効果・効能は56項目に分類されます。
参考:化粧品の効能の範囲の改正について| 厚生労働省(※3)

5-2.健康食品・サプリメント

健康食品は法令上で対象と定義されていません。あくまでも食品なので、病気や症状、身体の一部や機能に効果があるかのような表現は医薬品的な表現とみなされます。そのため、健康食品は次のように「機能」を訴求することはできません。

<病気 ・症状>
生活習慣病の予防、 便秘にいい、花粉症の方に、血行促進、食欲不振、冷え症にいい、成人病対策 、疲労など

<身体の変化>
アンチエイジング、目にいい、バストアップ、身長サプリ、 美肌、育毛、痩せる、 筋肉アップ、精力増強など
※飲み方の指定(用法・用量)を行うことも医薬品的な表現とされています。

・飲む時期の指定: 食事の前に、寝る前になど
・飲む量 の指定:1回2錠など
・飲み方の指定:お酒を飲む前になど
・飲む対象の指定: 子供は飲まないで下さいなど

ただ例外として、特定保健用食品・機能性表示食品というものが存在します。特定保健用食品は消費者庁の許可を得て、機能性表示食品は消費者庁に届出を提出し、決められた範囲での機能の表示が認められています。

5-3.健康・美容雑貨

健康・美容雑貨については健康食品・サプリメントと同様に薬機法の規制の範囲外ですが、医薬品と誤認を与えるような表現を行うと薬機法に抵触します。

健康・美容雑貨とは例えば、着圧ストッキング、筋肉運動補助機具、脱毛器などが該当します。これらはあくまでも雑貨であり、効果効能を訴求することは禁止されています。

医薬品等適正広告基準は、以下の参考資料や、厚生労働省のホームページで閲覧することが可能です。目を通しておくと良いでしょう。

参考:厚生労働省「医薬品等適正広告基準の改正について」
参考:厚生労働省「医薬品等適正広告基準の解説及び留意事項等」

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